2012年9月6日木曜日

メリットだらけの小さな研究会

小さな集会にこそ大きな収穫がある


 ここ数週間でそんなことをひしひしと感じた.

  8月末に台風セミナー2012という台風研究者が50人程度集合
  9月頭に熱帯降水系研究会という降水を伴う熱帯擾乱の研究者が15人程度集合

いずれも比較的小規模な集会であり,どちらも非常に有意義だった.もちろん,定期的に開かれている大規模な学会も有意義である.様々な人が集まり,一部の人に研究を聞いてもらい,また一部の人とお話したり盃を交わす.大規模な集会に多くのメリットはあるが,私はここ数週間で小規模な集会に大きな意義を感じるようになった.もちろん,同じようなことを感じている人は多いだろう.


 では,なぜ小規模な集会でそこまでの価値を感じているのだろうか?私なりに考えて思い浮かぶ小規模な研究会およびセミナーに潜むメリットは

 1.マニアックな人だらけ
 2.全体で同じ知識を共有
 3.全員と交流できる

の3点だ.


1.マニアックな人だらけ
 小さな研究会やセミナーには同じ,もしくは類似した現象に興味を持って研究してきた人たちが参加する.彼らは大きな学会にも参加しているはずだが,一同が一箇所に集まるのは通常難しい.そんな人達がひとつの会場で同じ時間を共有できる.同じ時間にひとつの部屋にいるだけでも素晴らしいことだ!

 誰かが話しを持ちかけると,多くの人が反応し,話は発展しやすい.狭い部屋に居る分,声も届きやすいからだろう.会場が本当に狭ければ,普段隣りに座らないような人の側に自然に近づける.これも思わぬメリットかもしれない.

 同じ思いを持ったマニアックな人が狭い部屋に強制的に集まる小規模な集会は,素晴らしい時間としかなり得ない!


2.全体で同じ知識を共有
 マニアックな人だらけの狭い部屋で口頭発表する,もしくは発表者に質問すれば,会場全体が耳を傾ける.単に興味があるということ加えて,声が通りやすい・スクリーンが近いという理由もあるだろう.そうすると,発表された研究内容および質問,返答は参加者全体の共通の知識となる.

 参加者「全体」で,というのが重要なポイントだ.会場全体が真剣に発表を聞いてくれる.一つの質問で次々と盛り上がる.知識がより一層深まり,発表するのが楽しくなる.「こうあるべきだ!」という研究発表会が小規模な集会にはある.だから本当に有意義な時間となるんだ.


3.全員と交流できる
 全く知らない人ばかりでも,会場が狭く参加者が少ないほど半ば強制的に交流できる.参加者が10人程度であれば,知らない人10人と会話して盃を交わすのは難しいことではないだろう.

 相手のことを知らないからといって,何を話せばいいかなんて気にする必要はない.何度も言うように,「マニアックな人」ばかりが新しい「共通の知識」を既に得ているんだから,大好きな話をすればそれで盛り上がる.研究に対する思いをぶっちゃけてもいい.発表中に分からなかったことを質問してもいい.みんなそれを楽しいと感じている.

 思い切って申し込んで楽しむだけで人とつながれるんだって思ったら,参加せずにはいられないでしょ!ましてや参加者のうちで最も若い身分ならば,憧れの研究者と交流する最大のチャンスである.参加したどちらの集会でも,今まで話せなかった方々としっかりと交流することができた.小さい集会ならではのメリットを最大限に活かせたと,我ながら自身を褒めているところだ.



 以上のように,小規模の研究会およびセミナーには超魅力的なメリットに溢れている.研究についてしっかり話すことができ,さらに新たな人との繋がりが始まる.大きな収穫ばかりだ.今後も,もちろん大規模な学会も全力で参加するが,小さな集会を見逃さないよう積極的に参加し続けたい.

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